ITベンダーが転職する先
IT業界における転職の典型的なパターンの1つは、ITベンダーのシステムエンジニアから社内システムエンジニアへの転職です。これには、様々な理由があります。1つ目の理由は、クライアントの都合などにより長時間労働を強いられた結果、限界がきてしまうことです。IT業界は元請け、二次下請けといった多重の下請け構造になっていて、下位になるほどスケジュールの調整が困難になります。そのため、スケジュールに多少無理がある仕事でも請けなければならず、長時間労働になってしまうのです。
2つ目の理由として、社内システムエンジニアの方が上流工程から関わることができ、自分が納得するシステムを導入できるということがあります。ITベンダーのシステムエンジニアは、クライアントの社内システムエンジニアが企画した案件を受注してシステムを構築します。自分の考えを反映させたくても、既にクライアントによりおおまかな仕様が決定されているので限界があるのです。特に自分の考えを持っているシステムエンジニアほど、クライアントの立場となってシステム導入を行いたいと考える場合があります。
ではITベンダーより社内システムエンジニアの方がいいのかというと、そうではありません。ITベンダーでは、技術力を身につけられます。社内システムエンジニアはシステムを使って社内の問題を解決する職業です。これに対しITベンダーはIT技術を使って問題解決を支援する立場なので、最新のIT技術を身につけやすいのです。このようにITベンダーに留まることにもメリットがあるため、明確な転職理由を考えることが大切です。